radical market_序章
何が問題なのか
ケインズ主義によると、完全雇用を実現するためにはインフレーションは必要である、 しかし、インフレーションが進みながら雇用が減るスタグフレーションという現象が起こった→ケインズの誤算 現代でも、資本の再分配を行うためには成長を加速させることが必要。そのためには政府が最小限の機能を持ち、市場の規制を緩和し、減税を行うことが最適という新自由主義に基づいて設計されている。富めるものが富むと、資本のトリクルダウンが起こり、貧困層も資本を得ることができるのではないかという理論。しかし、現代の経済を分析すると先進国においては格差が大きくなりながらも経済的な成長も鈍っている。これをスタグエンクオリティと呼ぶ。 資本家が私有財産を独占して、労働者へ十分な分配をおこなっていないことが原因と考えられる。
このように格差が拡大した時に国家主義、権威主義、ナショナリズム、ファシズムが台頭する。外部に敵を作ることによって団結を呼びかけるという構造は格差が大きくなると生まれやすい。
思想の系譜
特権階級による独占を批判する立場、
格差に反対、再分配の機能を回していきたい
第一次大戦以前、貴族の貿易などの独占の抗議、民主的な選挙の実現の先頭に立った
市場の活性化は哲学的急進派の提案の不十分な点を補った。
さらに独占を緩和する方向へと社会を動かした
自由主義が自由貿易などで経済的な成功を収めると、独占に主眼を置かなくなった。
これが新自由主義、格差を大小に経済を成長させることができると考える一方で急進派は独占に対して反対を示す
市場
市場は生産力を向上させることと資源の再分配の役割を担うとアダムスミスは説いた 投資効率
再分配効率
の話
市場の3つの原則
自由
競争
解放性
現代の市場の問題点
人間の幸福に直結するような領域の市場がないこと
政府が公共財として担うもの
政治的影響力
市場の前提に誤りがある
市場は商品が等品質なもののもとで成立するとした。
等質な製品は極めて理想化された状態であり事実ではない
不動産など→独占が生じてしまうため、自由競争はここでは生じない。
このような問題を乗り越えて急進的な立場(radical)から新しい市場(market)を提案するのが本書